「すべては患者様のために」
私たちは患者様とご家族が笑顔で過ごすことができるように、リハビリテーション・サービスを通じてお手伝いをさせていただきたいと願っています。
「行動分析学によるリハビリテーションの確立」
私たちは、最大限のリハビリテーション効果を引き出すための分析と介入方法を確立していくことを目指しています。
作業療法士:11名
言語聴覚士: 4名当院は急性期脳卒中患者様が中心のリハビリテーションを提供し、さらに回復期リハビリテーション病棟を平成28年6月に開設し、外来、在宅リハビリテーション、通所リハビリテーションも提供しています。
急性期から回復期、外来、通所、在宅までを網羅したサービス提供を目指しています。
当院理学療法士は、脳卒中、認知症などの患者様に対し応用行動分析学という最新の科学をアプローチ法とする専門家集団です。
寝返る・起き上がる・立ち上がる・歩く・トイレ動作などの日常生活を課題分析し、「シェイピング」「チェイニング」という技法を用いて新たな行動の学習・改善を目指します。
評価では、等尺性膝伸展筋力・荷重率など数値化されたデータや日常生活動作を点数付けし、グラフの形でフィードバックすることで短期的・長期的見通しが持て、大きな成果を得ることができます。
例えば、トイレ動作は以下のようなグラフを使用し、患者様・ご家族にご説明します。
(行動リハビリテーションVol.2より引用)
作業療法では、課題動作に対して最適な手がかりを援助し、適切な行動が遂行できるようにします。
達成感が得られるよう十分な注目・賞賛を行い、患者様の動機付けと意欲の向上させることで日常生活動作の改善を促します。
患者様にとって「作業療法室に行ったら、着衣がスムーズにできるようになる、達成感が得られ、自立につながり、作業療法士に褒められる」という内容となります。
更衣動作では以下のようなチェック表を利用し、毎日の成果を記録します。
(行動リハビリテーションVol.3より引用)
ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。
言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。
また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。
臨床力を高めるためには、教育と研究は不可欠な要因だと私たちは考えます。
教育は、自分たちが常に広く新しい知見を臨床に取り入れて患者様へのサービス向上を図ることにつながるだけに留まりません。若手スタッフや学生教育を積極的に行うことは、自分たちの知識の整理にも役立つと考えています。
今年度は新人教育として、画像診断からリハビリテーション介入に至るまで講義を行いました。
また、新人は経験者とチームとなり、常に評価と介入を相談できる体制として、半年間は担当患者様の数を抑えて確実に臨床力を身につけてもらうことを目指します。
毎週、科内症例検討会を実施し、スタッフ全体の臨床力を高め、より良い患者様へのサービス提供を目指しています。
理学療法士、作業療法士のための出来る!ADL練習(南江堂)
上村 朋美
クリニカルクラークシップの進行に行動目標の提示と点数化が及ぼす影響
第52回日本理学療法学術大会
富田 駿
認知症患者おける視覚的フィードバックの効果
第52回日本理学療法学術大会
上村 朋美
運動療法を拒否していた失語症患者に対する応用行動分析学的介入効果
高知リハビリテーション学院紀要 17
川口 沙織
重度片麻痺患者に対する段階的難易度調整を用いた方向転換練習の効果 : 急性期・慢性期の症例による検討
高知リハビリテーション学院紀要 17
富田 駿
重症片麻痺患者に対する立位保持環境の難易度
第51回日本理学療法学術大会
富田 駿
失語症を有する重度片麻痺患者に対する寝返り動作練習 : 下肢挙上による難易度調整を用いて
行動リハビリテーション5
富田 駿
認知症患者に対して視覚的フィードバックは有効か : グラフを用いた介入による効果
日本行動分析学会年次大会プログラム・発表論文集2015
富田 駿
重度片麻痺患者における下肢の挙上を用いた寝返り動作練習
高知リハビリテーション学院紀要 16
富田 駿
失語を有する片麻痺患者に対する応用行動分析学的技法を用いた起居・移乗動作練習
行動リハビリテーション5
川口 沙織
Pusher症状を呈した重度右片麻痺患者に対する立位練習 : 下腿クッションを用いた健側下肢外転の防止
行動リハビリテーション5
上村 朋美
理学療法拒否を続けていた患者に対する介入 : 環境調整の影響
行動リハビリテーション5
上村 朋美
応用行動分析学を用いた臨床実習での基本的態度の会得
第50回日本理学療法学術大会
川口 沙織
重度右片麻痺,半側空間無視を呈した症例に対する生体傾斜角練習装置を用いた座位練習の効果
第50回日本理学療法学術大会
富田 駿
転倒不安感に対するセルフマネジメントの有効性 : 歩行困難となった片麻痺患者における検討
日本行動分析学会年次大会プログラム・発表論文集2014
富田 駿
Pusher症状を呈する片麻痺患者に対する座位保持練習 : シェイピングを用いた介入の効果
高知リハビリテーション学院紀要 15
積極的に研修会等へ参加し、臨床に役立つ知識と技術の修得を目指しています。
応用行動分析学とは、「ヒトがなぜそのように行動するのか。あるいはまた、なぜ行動しないのか」という行動と学習の法則を研究する学問です。
リハビリテーションで行われる筋力トレーニングなどの運動も行動と捉えられます。
また、トイレ動作などの日常生活における基本的な動作はいくつかの動作が連なった形となっており、決まった手順を覚える必要があることから学習と捉えられます。
このような立場から、応用行動分析学の分野で明らかにされてきた行動の法則や学習を促進するための技術をリハビリテーションの場面に活用することで、リハビリテーション効果を最大限に引き出すことを目指します。
私たちの活動は「リハビリテーション効果を最大限に引き出すコツ−改訂第2版−(三輪書店)」に紹介されています。
また、応用行動分析学をリハビリテーションに活用する体系を確立し、広く発信していくことを目指しています。
そのためのひとつの活動として、行動リハビリテーション研究会の運営に参加し、積極的に情報発信と交換を行っています。
行動リハビリテーション研究会
http://koudo-reha.kenkyuukai.jp/電話: 047-468-00111(代表)
E-mail: riha@hfhp.gr.jp
担当: リハビリテーション科 鍋丁(なべちょう)、上村(うえむら)