診療医師
辛 寿全 医師
特発性正常圧水頭症とは?
特発性正常圧水頭症とは、頭の中に髄液がたまり過ぎてしまい、歩行障害や認知機能障害、尿失禁などの症状を呈する病気です。手術により、症状の改善が期待でき、日本の高齢者人口の1.1%、約37万人の患者さんがいるといわれています。
症状
典型的な症状としては①歩行障害、②尿失禁、③認知機能低下です。特に歩行は特徴的な歩容があり、小刻みで、両足を開きながら(開脚歩行)歩くのが特徴です。
検査
CT、MRIなどの画像検査、運動機能評価、認知機能評価、排尿評価、髄液排出テスト(髄液を排出することにより、症状の改善が得られるか)などを行い、総合的な評価で手術の適応を検討しています。
治療
現在の医療では、薬などで治療することはできません。手術による治療が第一選択となります。手術は、髄液の逃げ道をつくってあげる手術になります。主に3つの手術方法があり、髄液の逃げ道を①脳→おなか(脳室腹腔短絡術)②脳→血管(脳室心房短絡術)③腰椎→おなか(腰椎腹腔短絡術)となります。当院では③の手術方法を第一選択としています。